「翻訳機」と「翻訳アプリ」の違いは?ポケトークとGoogle翻訳の機能を比較してみた

こんにちは、翻訳機番長・高田(@HonyakuTakada)です。

現在では、無料で利用可能な「Google翻訳」のようなスマホアプリでも 音声認識による翻訳が可能になっています。

だったら、翻訳アプリで十分じゃね?

これら翻訳アプリと比べて、ポケトークに代表される翻訳専用機のメリットはどこなんでしょうか?

ポケトークとGoogle翻訳の比較表

翻訳アプリの代表として「Google翻訳」をとりあげ、「ポケトーク」シリーズとの違いを表にまとめてみました(※情報は2019年5月時点のものです)。

※表のポケトークは、第2世代モデル「ポケトークW」のデータになります。

双方の良いところをザックリまとめると以下のような感じになります。

ポケトークの良いところ
  • 翻訳精度が高い! 複数の翻訳エンジンをいいとこどりで使用
  • 操作が簡単! 翻訳機能に特化したインターフェース
  • スマホのバッテリーを消費しない
  • 専用SIMがあれば 世界104ヵ国で使用可能!
  • 本体を他人に渡すことに抵抗感が少ない
Google翻訳の良いところ
  • 無料で利用できる!
  • オフライン環境でも使用できる!
  • 画像の翻訳にも対応!

以下で詳しくみていきましょう。

ポケトークとGoogle翻訳の違い

価格

なんといっても最大の違いはここですね。

「Google翻訳」が無料で利用できるのに対して、ポケトークは本体価格だけで2万円以上します。

第3世代モデル「ポケトークS」

第2世代モデル「ポケトークW」

価格だけをみると、どうしても「Google翻訳」などのアプリに魅かれてしまいますね。

対応言語

対応する言語の総数は、Google翻訳の103言語に対して、ポケトークは74言語。

こちらも単純に数だけを比較すれば「Google翻訳」の方が優れているように思えますが、注目したいのは翻訳結果の「音声出力」が可能な言語の数です。

音声出力が可能な言語数

  • ポケトークS/ポケトークW: … 55言語 (※1)
  • Google翻訳 … 32言語

音声での出力に限定すればポケトークの方が上回っているんですね。

つまり ポケトークは「音声による入力と出力」に特化した翻訳機になっているわけです。

「ポケトークS」と「ポケトークW」は音声翻訳の機能・精度に関しては 違いはありません。

注意

※1:「ポケトーク」シリーズでは 対応する全74言語のうち、音声での出力が可能な言語は「55言語」になります。残りの19言語はテキストのみで出力されます。

ポケトークの特化機能

ポケトークには「音声による入/出力」を快適かつ正確に行うために↓以下のような機能が備わっています。

  1. 内蔵マイク には「ノイズキャンセル機能」が搭載されているため 人混みでも人の声が認識しやすい
  2. ダイナミックスピーカー(1.5Wx2)が搭載されているため、騒がしい場所でも翻訳音声が聞き取りやすい

駅のホームや、繁華街の雑踏など翻訳機が必要になる場面は、結構騒がしい場所が多かったりします。実際に街中で使ってみると これらの機能の便利さを実感できます。

関連記事 新宿駅の雑踏で試してみたところ、普通に音声認識でき、また翻訳結果の音量もまったく問題ありませんでした【ポケトークWの検証結果はコチラ】。

翻訳エンジン

「翻訳エンジン」とは、翻訳精度をつかさどる頭脳にあたるものですが、「Google翻訳」ではGoogle社独自のエンジンを利用しています。

これに対して、ポケトークWでは自社の翻訳エンジンを持たずに、外部のベンダーが開発した検索エンジンを複数利用するスタイルです。

例えば「日本語→英語」の場合はGoogleのエンジン、「日本語→中国語」の場合はVoiceTraのエンジン…といった具合に、言語ごとに最適な翻訳エンジンをネット経由で選択して使用します。

複数の翻訳エンジンからイイとこ取り!

いわば、他人の褌を借りて 美味しいところだけを利用する仕組みなのですが、そのおかげでポケトークは高い翻訳精度を保つことができるのです。

大手翻訳会社による第三者評価で「5点満点中4.24点」を獲得するなど ポケトークの翻訳精度には定評があります。

MEMO

ポケトークは従来 アジア言語の翻訳精度がやや低い傾向にありましたが、翻訳エンジンを刷新するなどアップデートを重ね、 現在では、中国語、タイ語、ミャンマー語、ベトナム語などの翻訳精度が大幅に向上しています。

翻訳の方式(ネット環境の有無)

翻訳機・アプリには、翻訳時にネット接続環境が必要になるものと 不必要なもの(オフライン)とがあります。

それぞれ以下のような特徴があります。

  • ネット環境が必要(オンライン型)…クラウド上のエンジンを利用して翻訳を行うタイプ。翻訳精度が高くなる反面、ネットが通じていない場所では使えない。翻訳速度は遅め。
  • ネット環境必要なし(オフライン型)…翻訳する端末内に保存したエンジンを使って翻訳をするタイプ。どこでも使用できる反面、翻訳精度はいまいち。翻訳速度は速い。

ポケトークはオンライン型

ポケトークは クラウド上で翻訳を行う「オンライン型」のためネット環境が必須です。 オフラインの環境では翻訳ができません。

そのため「ポケトーク」シリーズには、本体にWi-Fi受信機能がついています。

またSIMによる通信にも対応しており、2年間使い放題の「専用SIM」を利用すれば、Wi-Fi環境が無い場所でも利用が可能になります。ポケトーク専用のグローバルSIMは 日本をはじめとした世界104ヵ国で利用が可能です。

Google翻訳はオフライン/オンライン両対応

一方、Google翻訳の場合はオフライン・オンライン両方に対応しています。

ネットに接続しなくても、事前にオフライン用データをスマホ・タブレットにインストールしておけば、翻訳機能が利用できます。

ただしGoogle翻訳をオフラインで使用する場合は音声入力ができなくなり テキストでの翻訳しかできなくなりますので注意が必要です(※対応言語の数も少なくなります)。

関連記事 ちなみにポケトークWのライバルともいえる翻訳機「ili(イリー)」はオフラインでも高精度な翻訳が可能です。

翻訳の種類

「Google翻訳」は テキスト・音声・画像と様々な翻訳方法が用意されています。

ポケトークの場合、第2世代モデル「ポケトークW」までは音声翻訳のみでしたが、第3世代「ポケトークS」では画像翻訳にも対応しました。

  • Google翻訳(オンライン時):「テキスト・音声・画像」で入力&出力
  • ポケトークS:「音声」もしくは「画像」で入力、「音声とテキスト」で出力
  • ポケトークW:「音声」で入力、「音声とテキスト」で出力

関連記事 テスプロから発売中の「MAYUMI 3 マユミ」は、画像翻訳の他にグループ翻訳機能なども備えた多機能翻訳機です。興味がある方は↓こちらのレビューも合わせてご覧ください。

海外での使用(Wi-Fi以外での利用)

先にも書いたように、ポケトークやGoogle翻訳などの翻訳機器・アプリの多くは、利用時にネット接続環境が必要になります(※2)。

MEMO

※2:オンライン・オフライン両対応、オフラインのみ対応の機器・アプリもあります。

ホテルなどであれば Wi-Fiが飛んでいるのでよいのですが、移動時などにネット接続をする場合、各地域の電話回線を利用する必要性が出てきます。

もちろん、現地でSIMを購入したり、ポケットWi-Fiを持参したりといったことが自分で出来できれば 問題はないのでしょうが、私のように海外旅行の経験が少ない人間には、それらは結構ハードルが高い行為だったりします。

高額なローミング料金を請求される心配から「海外旅行時には基本的に電話の回線を切っておく(ローミングオフにする)」という方も多いのではないでしょうか?

海外でスマホを使うときの注意

スマホの海外利用は高額請求が心配という人も多いはず。なんだか怖いから使いたくないという人は機内モードにしておけば安心ですが、せっかくの便利なスマホ。金銭的に負担にならない程度に現地で活用してみるのもおすすめです。

Google翻訳などアプリの挙動は デバイスの設定に依存しますので、当然 ローミングオフの状態では利用ができません。

注意

言語によってはオフライン環境での利用も可能ですが、翻訳精度が低くなりまた音声入力も出来なくなります。

ポケトークのSIM内臓モデルがおすすめ!

海外でWi-Fi環境以外の場所で使用するのであれば、ポケトークのSIM内臓モデルがおすすめです。

面倒な手続きなしで ポケトークWを「世界128の国と地域」で使用することができます。icon

また「専用SIM」は単体でも購入できるため 後から追加することも可能です。

専用グローバルSIMの通信料は2年間「使い放題」なので どれだけ利用しても追加料金が発生しないのも魅力です!

注意

※専用グローバルSIMポケトークは、ポケトーク以外の翻訳機やスマホ・タブレットには使えませんのでご注意ください。

バッテリーの持ち時間

地味に大事なのがバッテリーの持ち時間です。

Google翻訳の場合、稼働時間はスマホ・タブレットのバッテリー残量に依存することになってしまいます。

当然ですが、スマホはメールしたりネットを閲覧したり といった用途にも使うのでバッテリーは常に不足しがちです。

ポケトークの場合は、専用端末なので スマホのバッテリーを消費することがありません。

「ポケトーク」シリーズのバッテリー駆動時間

ポケトークWの場合、バッテリーは 待機状態であれば「約10日間(240時間)」ほど持ちます。連続で翻訳した場合でも「約7時間」使用することができます。

ポケトークSは「連続待受時間:約60時間/連続翻訳時間:約270分」となっています。※本体が小さい分「ポケトークW」よりも駆動時間が短くなります

スマホでガシガシ写真を撮りまくる私の場合、余計なアプリに電池を消費されたくないもんで ポケトークのこのバッテリー持ち時間はとても魅力的ですね。

そのほかの違い

翻訳機器・アプリが必要になる場面というのは、海外旅行時だけとは限りません。

例えば、お店をやっていて 海外からのお客さんの接客に利用したい…といったケースもあるでしょう。

その際、いちいちスマホをお客さんに渡したり受け取ったりして 翻訳するというのは、心理的にやや抵抗感があるもの。

スマホには大事な写真・個人情報などが入っていますので、ちょっとした翻訳用途のためだけに他人にそれを見せたり触らせたりするのも考え物です。そういった方々には、ポケトークのような翻訳専用端末がおすすめです。

まとめ

ということで、「Google翻訳」を代表例としてモバイル・アプリと「ポケトーク」の違いを比較してみました。

まとめると以下のような感じになります。

Google翻訳がおすすめな人

  • 翻訳にお金をかけたくない人
  • テキスト翻訳や 画像翻訳なども利用したい人
  • 翻訳精度はそこそこで十分という人
  • 自分で海外SIMの購入や設定ができる人

ポケトークがおすすめな人

  • スマホ・タブレットを持っていない人
  • スマホ・タブレットの操作に詳しくない人
  • 自分で海外SIMの購入や設定をするのが難しい人
  • 海外で通信料金を気にせずにガンガン使いたい人
  • それなりに高い翻訳精度を求める人
  • 海外からのお客さんに対応するため お店などに常備したい人

私にとって、ポケトーク最大の魅力は「世界104ヵ国で面倒な手続きなしで使い放題」という点(専用SIM利用時)。

「過去に数回だけ海外に行ったことあります」程度の 私のような初心者の場合、スマホのデータローミング設定やら SIMの差し替えやらといった行為は結構ハードルが高いんですね。

それに比べて ポケトークなら"とりあえず持ってきゃ使える"ので便利。

また、地味に大事なのが「バッテリーの持ち時間」。

スマホでガシガシ写真を撮りまくる私の場合、余計なアプリに電池を消費されたくないもんで、ポケトークのバッテリー持ち時間は魅力です。

上にも書いたように 海外からのお客さんを接客する方なんかにもおすすめです。

ポケトークを購入する

「ポケトーク」シリーズは保証延長オプションや保護ケースなどのアクセサリーも一括で申し込める↓公式ストアからの購入が楽チンでおすすめです!icon

Amazonや楽天で購入する場合は SIMの扱いや延長保証の有無などしっかり確認しましょう。

ポケトークをレンタルする

「たまにしか海外にいかないのに3万円も払えないよ~」とお考えの方には、ポケトークのレンタルがおすすめです。

ポケットWi-Fiと一緒にレンタルする!

海外旅行向けのWi-Fiレンタルサービス「グローバルWiFi」では、オプションとしてポケトークをレンタルすることができます。レンタル料金は「880円/日(税込)~」。

関連記事 「翻訳機がレンタルできるサービスのまとめ」もどうぞ!

関連する記事

ポケトーク関連の記事をいくつか書いています。そちらも合わせてお読みください。

POCKETALK(ポケトーク)の競合製品で、ワンフレーズの旅行会話に特化した「ili(イリー)」の記事も書いています。

2件のコメント

「この翻訳機おを使って話してください
話してください」
と出ますが・・・
使用できません
何回もやってもだめです
ときには翻訳してくれます。
急ぎの時は困ります

コメントありがとうございます。
もしかすると 電波状況が良くないのかもしれませんね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA