【HDD物理破壊】大量の使用済みHDDを効率的に読み取り不可能にする方法

こんにちは、令和の破壊王・高田です(プロフィール)。

既に使わなくなってしまった3.5インチのHDD(裸のもの)が20台ほどあり、これを処分することになりました。

廃棄予定のHDD

調べてみたところ、私が暮らす自治体の分別ルールでは、HDDは「小型家電」もしくは「金属・陶器・ガラス」ゴミとして収集可能とのこと。ただ、問題だったのがHDD内に残されたデータの扱い。

「ゴミ箱を空」にしてもデータは復元できる・・・

基本的にWindows上でデータをすべて削除しているので、普通にPCと繋いでもHDD内にデータは残っていません。

ただし HDDの特性として「データの消去 > ゴミ箱を空にする」レベルの削除方法では、専用ソフトなどを使うと、データが復活できてしまうのです。

そのため世の中には「DESTROY」などの「データの完全抹消ソフト」というものが存在しているのですが、こちらは1台を完全抹消するのに半日程度かかってしまいます。

ヘッダ:Windows

HDDを再利用するつもりはないので、物理的に破損させてしまった方が早いのではないかと思い、色々と方法を調べてみることにしました。

HDDを読み取り不可能にする3つの方法

1. 完全抹消ソフトでフォーマット

データ消去ソフト

専用アプリを用いてデータを完全抹消する方法です。完全抹消後のHDDは 再度フォーマットして利用することが可能なので、中古で売ったり他人に譲渡する場合に有効。

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管理人メモ
ただし 1台の処理に半日~数日程度かかるため、今回のように「大量のHDDを迅速に破棄したい」ケースには不向きです。

2. 業者で物理的に破壊してもらう

データ破壊業者

ビックカメラiconやソフマップなどの業者ではHDDを物理的に破壊するサービスを行っています。

HDD内のデータが、顧客の個人情報だったり 企業秘密だったりする場合は、こうしたサービスを利用することをおすすめします。

ビックカメラの「HDD破壊サービス」についてはこちらで内容を確認できますicon

管理人メモ
最も安心で楽な方法ですが、HDDを持ち込む必要があり 1台あたり1,000円程度お金がかかります。

3. 自分で物理的に破損させる【この記事で紹介】

HDDの内部写真

一番安価で気楽なのが、自分でHDDを壊してしまう方法です。当記事ではこちらを紹介しています。一般家庭でも再現可能な 2つの破壊パターンを紹介しますので、ご自身の環境に合わせて試してみてください。

  • 【徹底版】早くて楽。ただし 電動ドリルなどやや特殊な工具が必要。音も結構うるさい。
  • 【簡易版】やや時間はかかるものの、ある程度 身の周りのモノだけでで作業可能。ただしセキュリティー的にはやや落ちてしまう
「物理的に破壊」の考え方

外側のカバーを外すと、HDDの内部は以下のようになっています。

ヘッド、プラッタの説明

円盤型のディスク部分(プラッタ)にデータが書き込まれており これをヘッドで読み込む仕組み。※レコードと針の関係をイメージしてください

なので、このプラッタ部分を物理的に破損させれば よいわけです。

HDDは「意外と頑丈」です

ただし、最近のプラッタは下図のように数枚重なっているものが多く、また材質も「アルミ・ガラス・セラミック」などが使用されています。

多重構造のプラッタ

「HDD=デリケート」という印象をお持ちの方も多いかと思いますが、いざ壊そうとすると、かなり頑丈にできていることに驚かされます。

このため、実はHDDを物理的に破損するのは、簡単そうでいて 非常に面倒な作業だったりします。

1.「徹底版」の破壊方法

まずは「徹底版」を紹介していきましょう。

こちらは、一言でいうと 電動ドリルを用いてプラッタに穴をあけてしまおう、というもの。

必要なもの

以下のものを用意しておきましょう。

電動ドリル

ドリルの刃(4~4.5mm)

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シャコ万力(クランプ)

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養生用の板

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※養生用の板は100円ショップのもので大丈夫です

破壊の流れ

まずは、HDDの下に養生用の板を引き、シャコ万力(クランプ)で しっかりと作業台に固定します。

HDDをクランプでおさえる
注意

HDDを固定しないと、ドリルで穴をあけた際にHDD本体が高速で回転して危険です。

穴をあける場所は「プラッタ部分」

穴をあける場所は「プラッタ部分」です。

裏面をみると、プラッタの中心軸の位置が分かりやすいので、穴をあける位置の参考にしましょう。※裏面側から穴をあけても大丈夫です

目安はプラッタの中心軸

刃先のサイズは「4~4.5mm」程度が適当です。あんまり大きいと穴が開けづらくなります

刃先のサイズ

プラッタ部分に狙いを定めて、ドリルで穴をあけます。

ドリルで穴をあける

1か所だけでなく、以下のように数カ所穴をあけましょう。

数カ所に穴をあける

先に説明したように、プラッタは複数枚重なっているので、穴はしっかりHDDを貫通させるようにしましょう。

貫通させる
端子部分も破壊しておこう!

また、念のためにペンチなどを使って背面の端子部分を折り曲げておきましょう。

端子部分を破壊する

以上です。

2.「簡易版」の破壊方法

電動ドリルは、音も大きいのでマンションなんかだと、ちょっと作業が厳しいかも知れません。

そこで、簡易的にプラッタに傷をつけるだけの方法も紹介しておきます。

用意するもの

トルクスドライバー

マイナスドライバー ※表面破損用

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カッター

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ペンチ

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破壊の流れ

まずは ネジを外してHDDの蓋を開きます。

HDDの蓋を開く

HDDの開き方

HDDの場合、固定しているネジ穴は一般的な「+/-」ではなく、星形になっており、これをあけるには「トルクスドライバー」という特殊なドライバーが必要になります。

特殊なネジ

また、多くの場合、ネジ穴はHDD表面のシールの下にもいくつか隠れていますので注意しましょう。※HDDによってネジの位置は異なります

シール下のネジ穴

シールをはがすとこんな感じです。※赤丸はシール下に隠れていたネジ部分

隠れていたネジ穴

蓋を外すとこんな感じになります。

蓋を外したHDD

破壊する方法

物理的に読み取り出来なくするために、いくつか部品を破損していきます。

まずは プラッタを読み取る、ヘッド先のとがった部分をペンチでへし折ります。

ヘッド先を破損

※ヘッド先は非常に鋭利なので素手で触らないようにしましょう

続いて、ヘッドを固定している根本部分をはぎ取ります。

ヘッド固定部

強力な磁石で固定されているだけなので、ちょっと力をいれると剥がせます。

プラッタ部分に カッターで傷を入れていきます。

プラッタに傷をつける

下のプラッタの破壊は限界あり・・・

プラッタは複数枚重なっていますので、この「簡易版」の方法では 下にあるプラッタの破壊はできません。

多重プラッタ

マイナスドライバやペンチの先を 隙間に無理やりつっこんで、表面をゆがませましょう。

注意

この方法では 下のプラッタの破損が難しく、そのためにセキュリティ的な意味では先の方法よりも大分甘くなります(あくまで簡易版なので)。まあ 一般人レベルではこの程度で十分だと思いますが・・・

おまけの処置

さらに、効果があるか不明ですが、油性マジックで表面を落書き・・・

油性マジックの落書き

また、念のために ペンチを使って 接続端子部分も折り曲げておきましょう。

破壊された接続端子部分

以上です。

まとめ

というわけで、大量のHDDを効率的に読み取り不可にする方法でした。

HDDを 中古で売ったり他人に譲渡したい場合は完全抹消ソフトの利用がおすすめです。

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